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第12話 届け!この想い!!
「死ねぇ!!」
シャドゥピンクが跳ねる。
突然のことに、狙われたイエローは何の術も無く体当たりをくらう。
「うあああっ!!」
絶叫しながらふっとぶイエロー。
「な、なんやこの力…おかしいでっ!!」
「くく、ピンクの能力は限界以上に引き出してある。まあ、よく動けてあと10分くらいだろうな。」
ウルフがにやりと笑う。
「限界以上…まさか!?」
「そのまさかさ。暴走した力を使い切ったとき、ピンクは…死ぬぜ」
ブルーの問いにウルフが答えた。
「ピンクーっ!!」
レッドの絶叫。
「ピンクさん!正気に戻って下さ…うぐっ!!」
グリーンの静止の言葉はピンクに届かない。
いきなりのパンチがみぞおちにヒットした。
「グリーン!?」
レッドが叫ぶ。
シャドゥピンクは、グリーンの首に腕をまわし、締め上げた。
「ぐうっ…」
グリーンが悶絶する。
「おっと、それ以上近寄ると、このメガネの息の根を止めるよ!」
シャドゥピンクが邪悪な笑みを浮かべる。
「ピンク!ピンクーっ!!」
叫び続けるレッド。
「レッド…あかん!」
「ピンクは正気じゃない!!近寄ったら…グリーンが本当に危ない!!」
「ピンクーっ!!!」
イエローとブルーがレッドを止める。
「お前の相手はボクだ!!」
シャドゥが鋭い蹴りを放つ。レッドに向かって繰り出された蹴りは、
激しく連打されてレッドを押しやる。
裏メイド戦隊は、1対1の状況を作る。
レッドVSシャドゥ。
ブルーVSエスパー。
イエローVSチャイナ。
そして…
グリーンVSシャドゥピンク。
浮いた形のくのいちは、レッドと戦うシャドゥに加勢した。
「お前たちのチームプレイはこれで完全に封じたぞ!!」
ビザールウルフの勝利を確信した笑いが響く。
「くうっ!!」
一瞬の隙をついて、グリーンが羽交い絞めから抜け出した。
激しく咳き込む。
「助太刀するわ!!」
高い所から突然の声。
そこにはメイドホワイトが立っていた。
「ならば!!お相手つかまつる!!」
くのいちは反応よくメイドホワイトに襲い掛かる。
「お前らっ!!こんな手を使わないとわたしたちと戦えないのかっ!!」
シャドゥに完全に押さえ込まれたレッド。
「…くっ!」
シャドゥは苦々しい表情でレッドを攻め立てる。
「正直、ボクもこんな手は…イヤだったよ!!」
「!?」
「力と力で戦って得る勝利こそボクの求めるところだ!」
「それなら!!」
「マスターの命令は…絶対だっ!!」
シャドゥのモップがレッドを痛打。
「うあああっ!!」
ブルーとエスパー。互角。
守りの堅い両者は牽制しあう。
「あなたたちのリーダーはああ言ってるけれど!?」
ブルーの問いかけ。
「わたしは勝てたらなんでもいいけど〜。」
「…!」
「お前たちの苦渋の表情…いいね〜!!」
「この!!」
仕掛けるブルー。しかし、エスパーのバリアーが完全に押さえ込む。
「サイコ・ウェーブ!!」
指先から発した光線がブルーを捕らえた。
「あああっ!!」
「お前は私が仕留める…覚悟はいいわね!!」
「はい!!はい!!!はいーっ!!!」
チャイナの息もつかせぬ連続攻撃。
イエローはその全てをかわしきれない。いくつかの攻撃がヒットする。
「…自分、ほんまやるなあ、ちっこいくせに…」
打ち返すイエローのパンチ。重い一撃をチャイナはかろうじてガードする。
「お前も強いアルね!!」
「自分も、こんな戦い方、好きくないんと違うか!?」
「わたしは…強いヤツと戦えたらなんでもいいアルよっ!!!」
強襲するチャイナ。空中で無数の蹴りを繰り出し、イエローはそれを防ぎつつ反撃。
かわすチャイナ。
「もらったアル!!」
渾身の回し蹴りがイエローの後頭部を蹴った。
「うあっ!!」
「ご主人様!状況はかなり悪いです!!一刻も早く…!!」
腕の通信機で連絡をとるホワイト。
通信機から有栖川の声が聞こえる。
「新兵器はもうすぐできる!!もうすぐだ!!それまで…耐えてくれっ!!」
「させんでござるっ!!」
くのいちの放つ手裏剣がホワイトの頬をかすめる。
「この期に及んで悪あがきはよすでござるっ!!」
手裏剣の連投。ホワイトはかわす。
「メイド長を舐めないで!!」
「やるでござるな。これは…どうかなっ!?」
「なっ!!」
突如分身するくのいち。
2方向からの不規則な攻撃!!
ホワイトは防御しきれずまともにくらう。
「きゃああっ!!」
倒れるホワイト。その顔をくのいちが踏みつけた。
「忍法影分身!!もらったでござる!!」
「くうっ…!!」
「こ、このままじゃ全滅してしまいますわ…」
グリーンがあせる。
「メイドファイブ!この勝負いただきだ!!ピンクもこのまま暴れた挙句に自爆さ!!最高だなぁ、おい!!」
ウルフが吼える。
「シャドゥピンク!行け!目の前の女を血祭りにあげろ!!」
「はい…殺ります!」
「ピンクさん…!!」
「…やるしか…ないですわ…」
グリーンの瞳に宿る悲壮な決意。
「ここでみんなを…やらせるわけには参りません…!!」
異様な迫力を感じたのか、立ち止まるシャドゥピンク。
「な、なんだ?」
「ま…まさか!!」
レッドが驚きの声を上げた。
「グリーン…ダメ!!」
ブルーも。
「あかん…それだけは…あかんのや…」
イエローも。
「ご、御主人さま…早く…このままでは!!」
ホワイトも。
4人は祈るような視線をグリーンに向ける。
だが、裏メイド戦隊たちに完全に掌握された彼女たちはグリーンをみつめることしかできない。
「リミッター…解除」
「ダメえええええええっ!!!」
グリーンの声と同時にメイドファイブたちは叫んだ。
グリーンの周りに緑色のオーラが漂いはじめる。
「わたくしの奉仕力…全てを開放します!!!」
突如、あたりがまばゆい光に覆われた。
「なんだこれは!!」
シャドゥたちがたじろぐ。
「でも…なんかあたたかいアル…」
「な、なんだ!?何をした!?」
うろたえるシャドゥピンクを、グリーンがそっと抱いた。
「ピンクさん…いつもあなたには助けてもらってばかりでしたわね…」
「何を?」
「私の全ての奉仕力…全てをあなたに…おくります…」
「あ、ああ…」
「正気に…戻って…下さい…ね」
「グリーン!!」
レッドの絶叫。
「なんてことを…!!リミッターを解除したら最後、奉仕力は枯れるまで止まらないのに…」
「そんで…二度と変身できんくなってまう…!!」
「ごめんなさい…でも、この場を…乗り切るには…こうするしかなかったですわ…」
やすらかな浄化の光を浴びて、ピンクの表情が少しずつ和らいでいく。
「にゅ…?」
「ピンクさん…よかった!!戻ったですわ!!」
「グリーン!?リミッターを!?」
驚くピンク。
「いいんです…わたしはいいんですわ…」
「な、なんでにゅ!!」
「ば、バカな!!洗脳は完璧だったはずだ!!脳髄まで手術してあるのに!!何故っ!!」
狼狽するウルフ。
そして、グリーンは静かに倒れた。
「グリーン!!」
「グリーン!!」
口々に叫ぶメイドファイブたち。
グリーンの変身はすでに解けている。奉仕力を使い果たしたのだ。
「グリーン…わたしの…わたしのために…」
ピンクの姿もビザールの戦闘服でなく、いつものメイドファイブのスタイルに戻っていた。
その瞬間。
ずぶり。
「う…うわああああああ!!!」
ピンクの絶叫。
グリーンの腹を、ウルフの手刀が貫いた。
「!!」
一瞬凍りつくメイドファイブたち。
「バカめ!!奉仕力を使い果たした!?このチャンスを逃してなるものかっ!!!」
ウルフの手は完全にグリーンの腹を貫通している。
ごぼ。グリーンの口から大量の吐血。
ウルフが手を振り抜くと、傷跡から大量の血が噴出す。
「あ…」
みるみる顔色が悪くなる。
「グリーンに何するにゅーっ!!!」
わめきながらウルフに飛び掛るピンク。
「うるさい!この役立たずめ!!」
ウルフのパンチがピンクを吹っ飛ばす。
「ふざけんなーっ!!!」
レッド、ブルー、イエローの3人がウルフを囲む。
「おっと!そうはいかない」
一度に多人数を相手にする気がないウルフは、さっとジャンプして遠くに着地。
裏メイド戦隊もそれに続いた。
血まみれのグリーンを抱きかかえるレッド。
「あ…ごめんなさい…わたくし…もう…」
「しゃべんな!!しゃべったらあかん!!」
イエローが号泣しながら叫ぶ。
「ピンク!!ヒーリングを!!はやく!!」
いつも冷静なブルーも我を忘れている。
「がんばるにゅ!!がんばるにゅーっ!!!」
必死にヒーリングを続けるピンク。
「わたしは…ここまで…みたい…」
「あほなこと言うなーっ!!しばくぞっ!!!」
「奉仕の…こころ…わすれ…ず…」
「グリーン!?」
「…」
「グリーン!?」
「…」
「あ」
「うああ」
「うああああああああああああああああ!!!!!」
レッドの地面を揺るがすような悲しみの絶叫。
メイドグリーン、緑川萌枝。
ここに…散る。
ビザール帝国の卑劣な攻撃に、ついにメイドグリーンがその命を散らした!!
怒りの絶叫。やりきれない想い。その全てを力に変えて、行け!メイドファイブ!!
彼女たちに休息の時はないのだから!!!
次回!「新しい力」にメイド・チェーンジ!!!
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