第10話 エスパー再び!
  さらば!?ブルー!

裏メイド戦隊を追うブルー。

エスパーに取り付けた発信機はある工事現場の廃材置き場に止まったようだ。

「…こんなところに!?」

乗っていたバイクのスピードをゆるめて、慎重に近づく。

「…おかしい…気配が無い…」

確かに発信機はいまブルーがいる地点を示している。

だが、裏メイド戦隊たちの姿はおろか、気配すらも感じる事ができない。



いままで守勢一辺倒だった闘いに、こちらから攻めていける千載一遇のチャンス。

そのチャンスを逃がすわけにはいかない。

ブルーは焦っていた。



突然、背後に殺気を感じるブルー。

身をひるがえして、跳躍する。背後で、ドスっという音がした。



さっきまでブルーが立っていた地点を正確に「くない」が貫いていた。

「裏メイド戦隊!!」

ブルーは、くないが飛んできた方向をみやった。そこには、忍者装束のメイドくのいちがいる。

「かかったでござるな」



ブルーは囲まれていた。一段低い場所に位置しているブルー。彼女を取り囲むように

4人の裏メイド戦隊が姿を現した。

「くっ…」

「あはは、バカだね。発信機なんてわざとつけられてやったのに、喜んで追いかけてくるんだから」

メイドエスパーが勝ち誇る。

「何を…!」

とりあえす移動して不利な位置を脱出しようとするブルー。

しかし、その足は意に反して動かなかった。

「あ…足が動かない!?」



メイドくのいちがふふっと笑う。

「忍法、影縛り」

見ると、先ほど放たれたくないは、ブルーの右足の影を貫いていた。

「忍者の基本でござる。お主の右足、動かせまい。」



4人の裏メイド戦隊たちにかこまれ、しかも動きが取れないブルー。

「…まずい…」

彼女の背中を冷たい汗がつたう。



「さあ、まずはさっきのトレイのお返しからよ」

メイドエスパーはふんと気合をいれる。

「またあの動かない鉄球でも出そうっていうの?」

ブルーは挑発する。すこしでもスキをみつけるために。



「残念でした。今回は…これよ!」

エスパーのまわりに、無数のナイフとフォークが出現した。

それらは、すでに空中を浮遊し、鋭利な切っ先をブルーの方に向けている。

「死ね!!」

数十本のナイフとフォークが、一斉にブルーに向かって突き進む!!



「バックラー・トレイっ!!」

トレイを盾にして猛攻を受け流すブルー。

右足が動かない状況の中、上半身の動きだけで無数のナイフとフォークをはたき落とし続ける。

「ふうん、やるねえ。でも、いつまで持つかしら?」



「まずい…このままじゃ…やられるっ…!!」

自分が動けない状況で、敵が遠距離攻撃で確実に仕留めに来ている…最悪の状況。

「こいつに賭けるっ!」

ナイフの攻撃のわずかなスキをつき、ブルーは手にしたトレイをエスパー目掛けて投げつけた。

「奉仕力カッターっ!!」



ナイフのコントロールに集中していたエスパー。奉仕力カッターが猛スピードでせまる。

タイミングは完璧。かわせない。超能力もナイフに集中しているためにカッターを止める方には使えないはず…!



「ハイーッ!!」

突如、横から飛び出した影があった。メイドチャイナ。

彼女の蹴りは奉仕力カッターを粉砕していた。

「甘いアル!」



「…奉仕力カッターがっ…!!」

「ちょ、ちょっとあせっちゃったじゃないの!!なぶり殺しにしてやるんだから!!」



再び、ナイフとフォークの雨。ブルーはひたすら回避し続けるしかなかった。

やがて、ナイフがブルーの体をかすめるようになった。

ブルーのほほに血の筋がつく。

「どうした?動きが鈍ってきたよーっ!!」

うれしそうに声をあげるエスパー。

そして、ついに一本のナイフがブルーの背中に突き立った。

「うっ…」



苦痛に顔をしかめるブルー。

「…ここまで…ね」

「メイドブルー、討ち取ったあ!!」



ドス、ドスドスっ。



鈍い音が続けざまに起こる。

「…ごめん…みんな…」

そして、ブルーは静かに倒れた。







「ブルーっ!!!!」

メイドレッドの絶叫が響く。

ちょうど、レッドたちがブルーに追いついたのと同時に、ブルーは倒れた。



すぐさまブルーに駆け寄るメイドファイブたち。

「ブルー!!ブルーっ!!!!」

ブルーを抱きかかえるレッド。

「レッ…ド?」

「よかった!まだ生きてる!!」

「すぐに治してあげるにゅっ!!」

ピンクが奉仕力ヒーリングでブルーを治療しようとする。

「ご、ごめんねみんな…わたし…一人で突っ走って…周り…見えてなかった…」

「いいの…いいんだよ、無事ならそれで!」

「ごめんね、レッド…わたし、奉仕の心…忘れてたみたい…」

ガクリと力なくくずおれるブルー。

「ブルー!?」

「大丈夫…気絶しただけにゅ…」

必死でヒーリングを続けるピンク。







無言で立ち上がるレッド。

「てめえら…」

握りこぶしを突き上げて、吼える。

「てめえら!覚悟はできてんだろうなぁ!!!!」



メイドシャドゥが答える。

「覚悟!?笑わせる。覚悟が必要なのは…お前のほうだっ!!」



「おらああああ!!!」

レッドは、シャドウに向かって飛び掛っていった。

シャドウもそれに応じてレッドに対峙する。

赤と黒、二つの色が激しくぶつかりあい、火花を散らす。



「百烈モップーっ!!」

「甘いーっ!!」

2人のもつモップが激しくぶつかりあい、折れた。

「たあー!!」

モップを投げ捨てて蹴りを放つレッド。

それをかろうじてかわすシャドウ。

「こいつ…なんだ!?この力…?」

「わたしの力…その源がわからない限り!!」

「!?」

「お前たちは…絶対にメイドファイブには勝てない!!!」

レッドの渾身のパンチが放たれた。

「バーニング・パーンチっ!!!!」

それは、まともにシャドウをとらえ、吹き飛ばした。

「ばかなっ!?」



「なめるなアル!」

メイドチャイナがシャドウとレッドの間に立った。

「ハイーっ!!」

気合一閃のチャイナの蹴り。

レッドはそれをまともに受け切った。

「わたしの蹴りを受け切ったアル!?」

たじろぐチャイナ。



「こいつはウチにまかせぇ!!」

メイドイエローが跳んだ。

「イエロー・トルネードっ!!」

イエローがチャイナに回し蹴りを放つ。

やすやすと受け止めるつもりで防御姿勢をとるチャイナ。

「ぬうおああ!!!」

イエローの蹴りはチャイナの受けを崩し、押し戻した。

「…な、何アルか!?このパワーっ!?」



「回復などさせんでござる!」

メイドくのいちがブルーとピンクを狙う。

メイドグリーンがその前に立った。

「みくびらないで…わたしだって、やらせていただきますわ!!」

意外な迫力に気圧されるくのいち。

「グリーン・サンダー!!」

グリーンの得意技、グリーンサンダーがくのいちをとらえる。

間一髪で体をかわすくのいち。

「2人には指一本触れさせませんわ!!」









エスパーは、力の使いすぎで、倒れていた。









「な、なんなんだ、こいつらの力…!?データをはるかに越えているっ!?」

メイドシャドウが叫ぶ。

「5人の絆の力…超えられるもんなら、越えてみろおおおおぉっ!!!」

レッドの渾身のパンチが、シャドウを押し付ける。



「くうっ…まあいい、今日のところは引き上げてやる!」

シャドウがそう叫ぶと、裏メイド戦隊は鮮やかに退却していった。

エスパーはくのいちにかかえられていたが。





「う、ううん」

「気がついたっ!!」

眼を開けたブルーに、喜ぶ4人。

「よかった!よかったねブルー!!」

泣きながらブルーに抱きつくレッド。

「ブルー、もう少しわたしたち強くなる…だから、もうこんなことしないで…」

レッドの泣きながらの言葉。ブルーの心に響いたようだ。



「こっちこそ…ごめんね…」





ブルーの大ピンチを救ったメイドファイブたち!!

絆の力で裏メイド戦隊を倒すんだ!!がんばれ、メイドファイブ!!

次回、「ピンクの初恋」にメイド・チェーンジ!!